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石川県医療労働組合連合会からのお知らせ

岸田内閣の経済政策に対しての日本医労連・森田書記長談話
2021-11-22
無為無策の賃上げ策を抜本的に見直し、現場の声に耳を傾けて具体策を示すことを強く求める
 
2021年11月19日
日本医療労働組合連合会
書記長  森田 進
 
岸田内閣は本日、「経済対策」を示し、その中に看護師や介護職などの賃上げについて盛り込むとしている。報道によると、「新型コロナウイルスに対応する医療機関に勤務する看護師を対象に、2022年2月から9月の賃金について月4000円引き上げ、その後段階的に3%程度までの引き上げを目指す。22年10月以降の対応は来年度予算編成の過程で検討する。介護職や保育士、幼稚園教諭、障害者福祉事業所の職員に関しては、全員の賃金を月9000円(月収の3%程度)引き上げる。引き上げの原資は交付金で、22年度後半からは診療報酬や介護報酬で対応する見通し。看護師の処遇改善分については、医療機関の判断により理学療法士や看護補助者ら医療スタッフの賃金に充てることも認める。」とされ、「岸田首相は、看護師や介護職、保育士ら、公的に価格が決まる業界で働く人の処遇改善を進め、民間企業の賃上げの機運醸成につなげたい考えだ。」としている。
 はじめに指摘したいことは、「コロナ対応の看護師だけ月額4千円」であるならば、現場に分断と混乱を持ち込むだけであり、かえって迷惑な内容である。すでに医療・介護従事者への「コロナ慰労金」によって、現場では不平不満が渦巻いた経験がある。もらえる人ともらえない人、人手不足の中でもコロナ対応で仲間を送り出した病棟の看護師と、コロナ対応に関わった看護師との金額差など、過度の混乱を現場に持ち込むこととなった。今回の限定的な対象者によって、同じ混乱が生じることと、看護師という職業そのものの賃上げにはまったくつながらない内容であることを、政府はしっかり考えるべきである。
また、看護師の処遇改善を巡り、「看護師の賃金は全産業平均よりも高い」という評価をしているが、まったく誤った見方であると強く反論する。公的価格検討委員会で使われている職種別平均賃金(月収換算)は、変動給がすべて含まれ、年間一時金(賞与)を12カ月で割った額も含まれている。よって、全産業平均額が2019年に37.3万円だったものが、2020年35.2万円と、2万円以上賃下げされており、1年で月額2万円も下がるような賃金を比較対象にすることが間違っているのであり、基本給あるいは所定内賃金で比較すべきである。看護師については、コロナ禍で残業も増えていることや、何よりも夜勤手当を職種別平均賃金の要素にしていることがナンセンスである。労基法上の深夜割増賃金を含むのが夜勤手当であり、我々が毎年実施している賃金労働条件調査でも、民間病院では、準夜勤で約5500円、深夜勤で約7000円が平均額であり、月額5万円程度の夜勤手当になるのである。心身に強い負荷をかけ、生体リズムに逆らい、労安法上の「有害業務」にあたる夜勤の手当を平均賃金に含むべきではないし、外来診療従事者や訪問看護など夜勤に従事していない看護師も多数いることを全く考慮していない比較である。
 介護職についても、月額9千円程度では、「無いよりはまし」程度の賃上げであり、所定内賃金が全産業平均より7万円以上少ない賃金水準を解消しなければ、安定した介護従事者の確保にはつながらないと考える。
 岸田首相は総選挙前に、「看護師や介護職などの賃金水準を引き上げる必要がある」と言明したが、検討過程で伝わってくる水準はどんどん低くなり、ついには今回のような愚策でお茶を濁そうとしている。コロナ禍を経て、「医療崩壊」が現実となった今、私たちは、医療や介護の提供体制を拡充する必要性と、そのための人員増は、待ったなしの課題であり、政治の責任だとより強く感じている。医療・介護現場のひっ迫を緩和するには働き続けられる条件がどうしても必要であり、そのために、現実を直視したまともな処遇改善計画を策定することを強く望むものである。
以上
  • (2021-11-22・20KB)

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