石川県医療労働組合連合会からのお知らせ
「社会福祉施設への看護師の日雇派遣」
の解禁に断固反対する声明
2021年3月3日
石川県医療労働組合連合会
〒920-0856
石川県金沢市昭和町石川県平和と労働会館2階
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担当 書記長 嵯峨 猛
1月29日、厚生労働大臣の諮問機関にあたる労働政策審議会の部会で介護・障害福祉施設への看護師の日雇い派遣を認める労働者派遣法の政令改正案が了承されました。介護施設等では看護師の確保が困難な状況があり、「突発的な欠員」への対応として「日雇い派遣」に一定のニーズがあること、また、離職中の看護師の中にも派遣労働者として短期就業を希望するものが一定程度存在することが実態調査によって確認されたことを理由として挙げられています。厚生労働省は、2月中の公布、今年4月からの施行を予定しています。
「日雇い派遣」は2012年の労働者派遣法の改正によって原則禁止とされました。その背景には、適正な雇用管理が行われず、労働災害が多発していたことや、低賃金で不安定な雇用の原因となっていたことなどが挙げられます。そうした問題を解消し、労働者を救済することを目的として法改正が行われました。しかし、今回の解禁にあたって提案されている対応策は、派遣元による就業条件の明示と派遣先への労働者派遣法上求められている責務の履行といったことのみです。
そもそも、介護施設等は、看護師の確保が困難となっています。これを「日雇い派遣」の解禁で対応することは根本原因を漫然と放置することに他なりません。派遣先となる施設は、当然のことながら、何より、利用者の個別性を尊重し多職種によるチームケアを重視しなければなりません。この現場に短期雇用の派遣労働を導入することは、利用者や派遣される看護師、その他の職員に混乱と負担をもたらすことにもなりかねません。この点で言えば、介護施設等に看護師の労働者派遣を認めている現行の制度自体にも問題があると言わざるを得ません。加盟組合の看護師からも「看護師の日雇い派遣」を懸念する多数の声が寄せられています。
石川県医療労働組合連合会は、社会福祉施設への看護師の日雇派遣の解禁に断固反対するとともに、看護師や介護従事者が人間らしく働き続けられるよう、大幅増員や介護報酬引き上げ、保険料や利用料負担軽減など、誰もが安心して活用できる介護制度実現をめざして奮闘する決意です。
以上