石川県医療労働組合連合会からのお知らせ
日本医労連がコロナウイルス対策の第３次の緊急要望を提出しました。
2020-04-27
「医療崩壊が始まっている。大胆な財政・人的支援を早く」―新型コロナ感染防止に取り組む医療労働者が２４日、厚生労働省内で会見し、最前線の深刻な実態と切実な要求を訴えました。厚生労働省に「医療崩壊」を止めるために必要な対策を求める緊急要請を行いました。
日本医労連が全国組合と地方から集約した１５２医療機関の調査結果が紹介されました。
病院では発熱者のトリアージ（識別）が行われていますが、「通常でも人員体制が不足しており対応が厳しい」（北海道）、「コロナ感染の疑いがある患者が入ると通常の検査はすべてストップ」（山形）、「専門家の指導なしで発熱外来を開いており心配」（群馬）との声があがっています。
政府の検査抑え込みのもとで「医師がＰＣＲ検査が必要と考えても、１０～２０件に１件しか受けられていない」（富山）など苦慮し、入院体制も「感染症病室のある病棟は、それ以外を空床にしている」（岡山）、「通常の入院でベッドはすでに満床」（北海道）との訴えが相次ぎました。
マスクや防護具不足が続いており、「マスクは一般病棟、外来は週１枚が基本」（神奈川）、「エプロンはごみ袋」（国立病院）、「農作業用カッパを購入」（ＪＡ系列病院）となっています。
病院経営も、都内大学病院で受診抑制で外来が１日５００万円減収、月１億～２億円もの減収になる実態が報告されました。
森田進書記長は、「自宅で急死者が出るなど医療崩壊がはじまっていると言わざるをえない。崩壊を止めなければならない」と訴え。森田しのぶ委員長は「国が責任をもって財政保障することが必要だ」と強調。「効率最優先の医療・介護政策、公衆衛生の縮小政策の誤りが露呈している」と述べ、国民の命を最優先にした大胆な対策を求めました。
020 年 4 月 24日
内閣総理大臣 安倍 晋三 殿
厚生労働大臣 加藤 勝信 殿
日本医療労働組合連合会
中央執行委員長 森田しのぶ （公印省略）
「医療崩壊」をとめるために必要な対策を求める緊急要請（第3次）
国民のいのちと健康を守るためご尽力いただいていることに対し、敬意を表します。
医療・介護・福祉の職場で働く仲間は、新型コロナウイルスの感染拡大の中、懸命に国民のいのちと健康を守るために、自らの感染リスクの恐怖ともたたかいながら、現場で必死な奮闘を続けています。しかし、感染拡大が続き、院内感染が多発するなど、事態は切迫した状況にあります。「医療崩壊」をくい止めるためには、国の責任によって、迅速かつ的確な対応が必要です。
今現在の医療・介護・福祉の現場実態から、緊急に以下の要請を行います。速やかに、そして的確に、 要請内容が実施されることを切望します。
【要請項目】
１． 「医療崩壊」を止めるため、PCR検査センターの設置など、検査と症状に応じた治療・隔離を迅速に行う体制をつくり、院内感染を防止すること。
２． 医療機関や介護・福祉施設に対して、マスク、防護服、消毒液などの衛生材料が充分に行き渡るように、国が緊急の対策をとって供給すること。
３． 新型コロナ患者の受け入れに要する費用は、空床確保、病棟・設備の整備、人員体制の確保、一般診療の縮小などを含め、全額国が補償すること。
４． 感染症拡大により経営悪化した医療機関や介護・福祉施設の経営を支えるために、緊急の診療報酬・介護報酬の引き上げや直接の財政支援を行うこと。
５． 新型コロナに感染もしくは疑いのある患者に対応する職員に対する特別手当の支給や、帰宅・通勤が困難となっている職員の宿泊費用等を補償すること。また、妊娠中や基礎疾患のある職員については、配置転換など勤務体制の配慮を行うこと。職員が新型コロナに感染した場合の労災認定を速やかに行うこと。
６． 医療・介護・福祉関係者に対する誹謗中傷、風評被害の防止を国の責任で行うとともに、メンタルヘルス対策や離職防止対策を強化すること。
７． 精神科病院において新型コロナ感染者が発生した場合に、精神保健福祉法の行動制限の濫用とならないように留意し、良質な治療や支援を受けることができるなど適切な対応が図られるよう対策を強化すること。精神科病院での入院を継続する場合であっても、重症化した場合の受け入れ体制を確保すること。
８． 公立・公的病院等の再編・統合、病床削減計画は、直ちに中止・撤回し、感染症対策に必要な医療体制を確立すること。
９． 現場の実情とかけ離れた医師・看護師の需給推計を見直し、感染症の拡大や災害支援など、不測の事態においても充分な対応が可能となるように、医師・看護師・介護職員などの大幅増員 を行うこと。また、感染症対策時に必要な医療技術を有する従事者を早急に育成すること。
以上
