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石川県医療労働組合連合会からのお知らせ

地域医療を考える学習会行いました。
2020-02-05
2020 年 1 月 19 日(日)13:30 ~ 16:00、石川勤労者医療協会会館にて「地域医療の充実を求める学習会」を開催し、60 名が参加し、地域医療構想の狙い・問題点などについて理解を深めました。
 長友薫輝三重短期大学教授が以下の5点について基調講演を行いました。長友氏は「地域医療構想は病床削減にとどまらない」「病院は地  域経済、地域の雇用の拠点という視点が欠かせない存在であり、その  病院の再編・統合は地域住民が住み慣れた地域で安心して暮らせるか、  否かに関わる重大問題」であることを理解しなければならないことを  協調されました。(1)なぜ、424病院の名指しリストが公表されたのか?地方の中小病院が焦点。 (2)今回のリスト公表など、地域医療構想は病床削減にとどまらない点が大事。(3)地域医療構想、医師偏在対策、医療従事者働き方改革の「三位一体改革」。(4)地方において病院は地域経済、地域の雇用の拠点という視点が欠かせない。(5)地域包括ケアシステムを構築するためには病院が必要。在宅医療・在宅介護。 (6)地方自治体(地方自治)は危険水域にあるという認識が重要。
 県医労連書記長の嵯峨猛さんが、「石川県地域医療構想、石川県での具体化は?」について報告をし   ました。石川県では2025年度までに2775床の病床を削減する計画がたてられ、医療圏ごとの調整会   議で議論をされてきている。調整会議ではなかなか病床削減の話にはならなく、現状追随となって   いる。それに業を煮やした厚労省が424の病院が「再編・統配合が必要」と名指しをした。この277    5床の削減に基づいて、医師需給計画、看護師の需給計画が立てられようとしている。
 
 県内の名指しされた7つの病院の内、5つの公立病院の問題に つい、それぞれの自治体から、住民の反応、自治体や議会の 反応などについての報告がありました。
<富来病院>
富来病院の問題については中谷松助さんから報告をうけました。「富来病院は旧富来町住民にとって非常に大事な病院である。 富来病院がなくなれば、住民の健康やいのちが守れない。富来病院は、2019年1月に医療療養病床と介護療養病床を転換し、34床の介護医療院を設置した。更には、不採算診療科としてやむを得ず小児科と婦人科を休診とし、   経営の健全化・安定化に向けた対策を講じたところであった。それなのに、厚労省は地域の実情を踏   まえずに名指しをした。住民の不安は強い、町長は「絶対に富来病院は守る」と述べている。しかし、安心できない。引き続き住民と一緒になって、富来病院を守っていきたい。
<宝達志水病院>
 報告予定者の小島昌治さんが所用が重なり、山本信治さんが代読しました。厚労省の公表後、宝   達志水病院は職員集会を開催し、町や議会もともに「これ以上のベット削減は許されない。町にと   っても、住民のいのちの砦である大事な病院を守る」ということで一致している。国や県に向けて、   議会では意見をあげた。
<かほく中央病院>
 かほく中央病院の問題については塩谷道子さんから報告をうけました。「河北中央病院は町の住民   にとっては大事な病院である。病院は2016年より「新病院改革プラン」を実施中であったところに、   厚労省の名指しとなった。国から統廃合を含めて再編の検討を求められてから、郡医師会長、副会   長、顧問が津幡町役場を訪れ、町長に「河北中央病院の存続」を申し入れた。町長はじめ、議会で   も「河北中央病院の存続」について一致している。
<公立つるぎ病院>
 公立つるぎ病院の問題は宮岸美苗さんから報告をうけました。「公立つるぎ病院は松任中央病院と   一体として経営・運営されてきた。機能再編も議論をしてつるぎ病院と松任中央病院との機能分担   を明確にしている。つるぎ病院は経営的にも黒字で、僻地医療も担っている。それゆえ、市の幹部   は「厚労省にきちんと説明すれば理解してくれるのではないか」と考えているようだ。そのような   うまい話にはならないと思う。引き続き住民の声を集めて対応を進めていきたい。
<能美市民病院>
 能美市民病院の問題は近藤啓子さんから報告をうけました。「能美市民病院は昭和9年、手取川の   大洪水で疾病の蔓延となり、その対策として産業組合立病院として建設された。1989年新病院建設、 2005年三町合併によって、能美市立病院となる。2013年より赤字体質化、毎年5千万円補填、2018   年度は3億円以上を補填。医師は2010年11名をピークに減少、現
在6名。ベット稼働率は2018年62.3%。2019年4月より「病院あり 方検討会」を開催してきた。結果、2019年12月に稼働ベットを15 床減らし、100床(急性25、包括35、療養40)に再編し、今後は、 地域連携推進法人を検討中。住民アンケートに取り組んで来た。  8割を超える住民が「病院は絶対になくさないでほしい」と応え ている。
<石川県議会での議論・知事の答弁>
標記について、佐藤正幸さんより、報告をうけました。議会としては自民党案の意見書が採択さ   れた。知事は「公立公的病院が将来において地域にどのように貢献していくのかは、開設者と住民   が協議していくことが重要」という答弁しかしなかった。

最後に、石川県社会保障推進協議会を代表して、「行動提起」を事務局長の寺越博之さんが行いま   した。

最後に、石川県社会保障推進協議会を代表して、「行動提起」を事務局長の寺越博之さんが行いま   した。
「公立公的病院再編統合の問題は、患者やその家族にとってはもちろん、地域住民にとっても身近な医療機関が縮小・廃止など大問題です。病院の存続と発展の必要性について、地域住民の皆さんに説明と理解を求める集会などを開催し、「病院の存続と発展をめざす住民の会(仮称)」を発起し発展させるなどの取り組みを推進しましょう!」
 
 
 
  • (2020-02-05・287KB)

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